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「サガン 悲しみよこんにちは」 仏映画


サガン-悲しみよこんにちは  2008年フランス映画  ディアーヌ・キュリス監督

18歳にして一躍有名作家になり、過剰で波乱に満ちたフランスの作家フランソワーズサガンの生涯を綴った作品。

その歳で一躍世のスターダムに登るというのは正直本人にしか解らないものがあるのでしょうか。

巨額の印税を手に入れ、それらを容易くギャンブルに注ぎ込み、性質の悪い取り巻きにたかられ、後先考えず家を買い、常に何かしらの薬物に依存し、孤独が好きなのに一人になるのが怖い・・・何かに導かれるように自分を破滅へと向かわせていくことから逃れることができない。サガンを見ていると、なぜ?どうして?がいろいろと降ってくるのですが、人間とは本当に不可思議な生きものですね。人生をものすごい速さで駆け抜けようとする姿が痛みをもって描かれています。

サガンは2度の結婚をし、どちらも離婚。一度の出産を経ていますが、授かった息子に情を寄せることはなかったようです。息子が大きくなっても関係はうまく行かず、彼女にとって息子を授かることは、自らを正しい方へと引き留めるための防衛線であったのかとも思いました。いつも薬物に依存し、時に予測もつかない行動をして大事故で命に係わる負傷をし、巨万の富を手にしたのにお金が嫌いと言い、金銭に無頓着で浪費癖のある性は一生直すことができなかった。

何故、そこまでして身近にある人や財産、愛を素直に受け入れ大切にしていくことに不器用だったのでしょうか。

生まれも育ちも悪くないし、知的でインテリな18歳のサガンにとって夏休みに書いた処女作品「悲しみよ、こんにちは」は、サガンが夢見ていた憧れの人生を満喫するのに足りる成功をもたらしてくれたはず。でもその成功によって、自らを確実に破壊させていくことになると知っていたとしても、若いサガンはやはり成功したかったのだろうと、とわたしは思いました。そういう血が彼女には流れているんだろうな、と。

サガン役を演じたシルヴィー・テストゥー実際のサガン(上写真)にとてもよく似ていますね。


サガン役 シルヴィー・テストゥー

サガンが心から求めていたものはおそらく、今を最高に感じること。生きていることを強く実感するということではないかな。それが恐怖と紙一重であればあるほど、「生きている」ことを感じられ、欲望を満たすことができたのではないか。

誰の人生においても手に入れたものは果たして、その人にとっての「成功」にふさわしいのかは、結局のところ解らない・・そんなことを考えさせられた作品でもありました。

ちなみに処女作の「悲しみよ、こんにちは」もとても18歳でここまで書けるとは思えないくらい、ありありと生き生きとした心情が描かれています。こちらもとてもおすすめです。






 

「モンテーニュ通りのカフェ」 仏映画


モンテーニュ通りのカフェ 2006年フランス ダニエル・トンプソン監督

セシルドフランス主演の軽やかなラブストーリー。

ジェシカ役は、セシル ド フランス。


2002年のスパニッシュアパートメントにも出ていましたね。かなり雰囲気は違いますが、どちらも魅力的。

セシル演じるジェシカがパリにやって来て、モンテーニュ通りのカフェで働きはじめ、そのカフェに集う様々なお客と顔馴染みになり、小さな恋が生まれます。ジェシカの素直なかわいさが振る舞いから伝わってきて(こんな子と仲良しになりたい・・)とか思ってしまいます・・。
お金もないジェシカが知り合いになった音楽家の特別控室に入り込み、ソファで眠ってしまったあと夜明けにそこを抜け出し、屋上からパリの街を眺めるシーン。


パリを一番味わっている女の子だと思いました。

そして雨が降ってきて、膝をかかえしばらく座っている姿もよかった。

ジェシカの廻りは、女優や脚本家、美術コレクターや音楽家と、地位も名声もある人が多くいたのだけどどの人も今を変えたいと願っている。そして行動を起こして・・。無くしかけた愛を取り戻し、生涯をかけたものをあっさり手放し身軽になっていく。そしてジェシカは思わぬ恋人と出会います。

わたし自身は、幼少から学生の頃は田舎で育ちましたが、村社会にどうしても馴染めないままどんどん街へと移り住んできて、大きアンテナを巡らし続けてきたような気がします。だからジェシカを観ていたら、田舎から出て暮らし始めたときの何とも言えない歓びや、少しの切なさを思い出しました。

今の場所が何か窮屈・・と感じているのに無理に自分を押し込めようなんてしていたら、知らぬまにそのまま窮屈な自分になってしまう。そんな人生を送っていてはもったいない、ですよね。

フランス映画には、人生を考えるきっかけを与えてくれる不思議な魅力があります。

 

「地下鉄のザジ」 仏映画


地下鉄のザジ  1960年フランス  監督ルイ・マル

前から見たかった「地下鉄のザジ」

叔父さんのところに預けられた、おませな少女ザジとその周りの大人たちの滑稽で、ハチャメチャな展開のストーリー。(ストーリーはないと言ってもいいな)

このザジがかわいい♪短い前髪、赤い長袖とグレーのプリーツスカート。そのザジが大人顔負けな口のうまさでまわりをドタバタにしていく・・。フィルムは早送り、ザジは瞬間移動・・とリアルな展開ではない。笑って楽しむのにもってこいな作品です。

登場人物もみなヘンテコ。地下鉄に乗りたいザジ、ザジを預かった女装ダンサーの叔父さん、美しい叔父さんの妻、叔父さんの妻に恋する何にでも変身する男、ザジを好まない住人とロマンチストなタクシーの運転手・・。それからタクシーの運転手の恋人、街で偶然会ったお金持ちのマダム、何故か叔父さんにまとわりつくドイツ女性4人・・・。みんなヘンです。よく解らない展開を好まれる人にはおすすめ。

個人的にフランス映画には(何がどうなった)というセリフは似合わないと思ってるので、この作品も(何もどうもならないけど・・、なんか○○○・・。)みたいな余韻や余白を味わうのがいいんじゃないかしら。

叔父さんのポケットにさしたスカーフの赤とザジの赤い服が効いていて素敵でした。

 
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